理系東大生ダイナの書評とか。

理系東大生ダイナが書評をしたり日々の大学生活についてつらつらと書いたりするブログです。Twitter→@riketoudaina

『弱くても勝てます~開成高校野球部のセオリー』は野球以外にも通用する人生のセオリーを学べる本!?

 

ごきげんよう、ダイナです。

 

今回はタイトルを少し違った感じにしてみました。

 

というわけで『弱くても勝てます』、レビューしていきたいと思います。

 

>弱くても勝てます [ 高橋秀実 ]

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感想(23件)

 

 

概要

 

開成高校野球部

開成高校と言えば皆さんご存知(かは分からないけど笑)、国内トップクラスの進学校だよね。

やっぱり勉強ができすぎる学校の生徒って、勉強しかできない、スポーツはできない、というイメージを持たれがち。これは東大生のイメージにも共通すると思う。

そんな開成高校のうち、高校スポーツの花形と言える(硬式)野球部にスポットをあてたドキュメントエッセイが本書だ。

東東京の高校野球は全国屈指の強豪校が集まっていて、僕自身開成の野球部なんて一回戦負けがふつうじゃないくらいの認識だった(申し訳ございません笑)。

ところがどっこい、なんと平成17年の東東京大会では四試合のコールド勝ちを含み五回戦まで進み、ベスト16まで残ったのだ。

本書はこの開成野球部の強さの秘訣を探る、と言いたいところだがそうではなく、「へたくそなりに勝つ」独特の戦略に注目した内容になっている。

 

ドラマ化

嵐の二宮主演でドラマ化もされている。

www.ntv.co.jp

え、もう三年前かよ。。

 

エラーの伝統

 

本書によると開成野球部は、守備はへたくそ、エラーは伝統、その代わり打力は徹底的に鍛え、打ちまくってコールド勝ちに持ち込み守備機会を減らす、という戦略を柱としている。

この考え方から、野球以外にも通用するいわば人生のセオリーを学び取ることができる。(タイトルの内容をちゃんと書いていくよ笑)

先日の記事で書いたように

rikeitoudaiseinoburogu.hatenablog.com

 大学受験においても、苦手を得意でカバーする戦略が有効である。

このことは他のさまざまな場面で言えるのではないだろうか。

例えば、何かの作業をするにしても、スピードが遅いならその分丁寧で質が高ければいい。

人にはそれぞれ個性がある。何か一つ強みがあればその道で生きていける。

 

仮説の検証のフィードバック

 

野球経験がある人ならわかると思うが、野球の特にバッティングは水物ともいわれるようにかなり調子に左右される。スランプに陥るとどうしようもなく思えてくる。

そんなときは、フォームをいろいろ工夫して試してみると自分に合ったものが見つかり調子が上向くことがある。

本書の言う「仮説の検証」とは、このようにある目的を持っていろいろなことを試し、そのなかでよりよいものを見つけていくことを言っているのだろう。

これも野球だけでなくさまざまな場面で活かせる考え方だ。

 

「は」ではなく「が」の勝負

 

「(球が)来てほしくない、ではなく、来い!俺が捌く!と考えろ」

少年野球のときに耳にタコができるくらい聞かされた。

野球はチームスポーツではあるが、「俺が俺が」という積極性も大事だ。

特に、まじめで和を重んじるような人は消極的にボールを待っているとミスも増えてしまいがちになる。

開成にはそういう人が多いのだろうか、野球部では「が」の勝負を教え込んでいるようだ。

 

「イカ東」的な考え方を楽しもう

 

著者も文中でたびたび言っているが、開成高校野球部の面々は必要以上に論理的だったり達観しすぎて考えが偏ったりしているらしい。

これも東大生にはよく見られる特徴だ。

しかしそんなやり取りが読んでいて面白く気持ちいい。

こういった開成野球部メンバーの人柄が伝わってくるのが本書のおすすめポイントの一つでもある。

 

野球が好きな人、ドラマを見た人、開成高校のはもちろん、それ以外の人にもぜひ読んでみてもらいたい一冊。

きっと開成高校に対するイメージもいい意味で変わり、高校野球にも興味をもっていただけるはずだ。

 

最後に一つ皆さんに聞いていただきたい。

 

必ずしも勉強ができる人はスポーツができないとは限りません!!笑

 

以上です。